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2013/5/5      2019/8/25
 
山2い840号型
 
■導入:昭和41年(1966年)、新製
■型式:三菱MR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:840(S41.9〜S50.9)
    841(S41.9〜S50.9)
    843(S41.9〜S50.9)
    845(S41.9〜S50.9)
    (計4台)
 
 昭和41年に導入された一群の最後は、これまで十分に実績のあった三菱のMR型
(165馬力)と西工車体の組み合わせとなりました。
 ただし、この車体は「丸型」末期のものであったようで、次に登場する「41MC型」
車体同様に四灯式ヘッドライトベゼルを備えているため、やや従来のものとは
雰囲気が異なっています。
  
 こうして昭和41年に同時導入された10台は、車台も車体もバラバラとなりました
が、装備についても、実際の運用結果や法規の改定等を反映させてか、購入から1年の
間に料金箱、両替装置、整理券発給機などが次々と追設置され、さらには座席も増設
されるなど、小さくない変遷がみられました。
 
 本型の4台は、やはり満10年の車齢を全うしたのち、1台は美祢市の企業に売却
され、別の1台は廃車体が山口大学の南側に存在していましたが、90年代中前半まで
には完全に姿を消しました。
山2い998号型
 
■導入:昭和42年(1967年)、新製
■型式:三菱MR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:998(S42.11〜S51.9)
    1000(S42.11〜S51.9)
    1001(S42.11〜S51.9)
    1002(S42.11〜S51.9)
    1003(S42.11〜S51.11)
    1005(S42.11〜S51.9)
    1006(S42.11〜S51.11)
    1007(S42.11〜S51.11)
    1008(S42.11〜S51.11)
    1010(S42.11〜S51.11)
    1011(S42.11〜S51.9)
    (計11台)
 
 翌、昭和42年には、強力にワンマン推進を図るべく、一気に15台もの新製の
ワンマン対応車が投入されていますが、前年度とは異なり、今回は車台に拘わらず
全て新型の西工車体(「41MC型」)を採用していることが注目されます。
 
 その最初の11台は三菱車となりましたが、同一形式、同一仕様の新製車が同時に
購入された車型としては、山口市営の歴史上、最多の事例でした。
 
 仕様としては、前年度に購入された車両の教訓を十分に取り入れているためか、
充実した内容であったようで、改造としては、末期の昭和48年〜50年頃にかけ
運賃表示機両替機能付き運賃箱が装備される程度に留まっているようです。
 
 その後、この頃のワンマン対応車の例に漏れず、本型も全て満10年程度で廃車
処分されてしまいますが、奇跡的に1001号のみが、納車から45年を経た後も、
廃車体としてその姿を留めていました(平成26年に解体)。
山2い1012号型
 
■導入:昭和42年(1967年)、新製
■型式:日野RB10
■車体:西工
■形状:リヤアンダーフロアエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:1012(S42.11〜S51.9)
    1013(S42.11〜S51.9)
    (計2台)
 
 三菱車に続く2台は、前年度と同様にRB10型(160馬力)が選択されましたが、
前述のとおり、車体は西工製となっています。
 この場合の日野車は、三菱系車とは異なり、純正車体と同様に丸2灯のヘッドライト
が採用されているため、他車とは見分けることが容易です。
 ただし、この組み合わせは、山口市営では唯一の事例となりました。
 
 細かい仕様は、他の車と同一時期に同一工場で製作されているため、特に差異は
無いようで、後の追加装備も全く同様であったように思いますが、本型と下記
い1217号型にのみ、バックアイカメラとモニターのセットが、廃車直前の
昭和51年に装着されていたようです(実働約半年程度)。
 
 2台ともやはり満10年で除籍となりました。
山2い1015号型
 
■導入:昭和42年(1967年)、新製
■型式:いすゞBU10
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:1015(S42.11〜S51.9)
    1016(S42.11〜S51.9)
    (計2台)
 
 昭和42年最後の2台は、引き続きいすゞが選択されています。
 この頃の山口市営では、車台は三菱、車体は西工という標準仕様が確立されて
いたようですが、公営企業の性格と、部品供給や中古車斡旋の際の人間関係も
重視し、他社の製品も少数を購入する、というスタンスになっていったようです。
 
 このロットでは、車体メーカーは西工1社に集約された関係で、全てを同時期に
登録することが可能になりましたが、翌年度では再び車体の発注先が分かれるように
なります。
 
 本型は、上記2車種と同様、その晩年には新装備を追加する改造が行われましたが、
廃車時にこれらは代替する新車に移設されたといわれています。
 
 なお、左の写真では隣の三菱車(い1002号車)との差異がエンブレム程度
しか見当たりませんが、後面では、テールライトが中心線の近くに配置(寄り目)
されているため、明確な違いがあるようです。
山2い1202号型
 
■導入:昭和43年(1968年)、新製
■型式:いすゞBU10
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:1202(S43.11〜S52.11)
    1203(S43.11〜S52.9)
    (計2台)
 
 ワンマン推進の第3段階にあたる昭和43年にも、再び15台の大量導入が
行われており、国体終了以降の急速に進んだ廃車処分と相まって、このときまでに「あ」、「い」の旧世代路線車を、大部分淘汰するまでに至りました。
 
 その昭和43年の最初の2台は、前年度と同様に高出力(190馬力)のいすゞ/西工
選択されており、仕様もほぼ同等かと思われますが、車掌台の側窓が引き窓となり、
公式側の市章が、中扉より前方に移されているのが特徴です
 
 本型を以て、いすゞ/西工の組み合わせは、山口市営では最後の事例となりました。
山2い1207号型
 
■導入:昭和43年(1968年)、新製
■型式:三菱MR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:1207(S43.11〜S52.7)
    1208(S43.11〜S52.11)
    1210(S43.11〜S52.9)
    1211(S43.11〜S52.9)
    1212(S43.11〜S52.7)
    1213(S43.11〜S52.9)
    1215(S43.11〜S52.9)
    1216(S43.11〜S52.10)
    (計8台)
 
 続く8台は、もはや定番の三菱/西工の組み合わせであり、例に漏れず、最大
派閥を形成しています。
 
 細部の仕様は、上記1202号型と同様と思われ、晩年に運賃表示機や両替機付
運賃箱を追装備した点も、前年導入車と同一でした。
 
 なお、非公式側の市章の位置には迷いがあったようで、同じ西工車体でもロット毎
に設置位置は異なり(本型は非常口の前)、最終的には廃止されてしまいました。
 経費の節減と、広告設置を最優先したため、といわれています。
山2い1217号型
 
■導入:昭和43年(1968年)、新製
■型式:日野RE100
■車体:金産
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:1217(S43.11〜S52.7)
    1218(S43.11〜S52.7)
    1220(S43.11〜S52.10)
    1221(S43.11〜S52.11)
    1222(S43.11〜S52.10)
    (計5台)
  
 昭和43年最後の5台は、この年に登場したばかりの新鋭「RE型」(175馬力)が、
標準的な金産車体を架装して採用されました。
 三菱車では長尺が選択されるなかで、いすゞ車、日野車は短尺を選択している
点は、興味深いところです。
 
 ヘッドライトは所謂「オーバル型」(楕円形)とされ、他の車とは違って特に精悍
印象を持っていました。
 これは山口市営の場合、廃車時まで丸型には更新されなかったものと思われます。
 
 晩年にはやはり新式の路線装置が追加されていますが、本型のみは、上記1012
号型同様、バックアイセットも搭載されたようです。
 日野車に優先的にバックアイが設置されたのは、隘路の多い秋穂線に投入して、この
方面の完全ワンマン化を達成するためといわれていますが、そもそも日野車が集中的に
秋穂線に選定されたのは、何か理由があってのことだと推測します。
山2い1337号型
 
■導入:昭和44年(1969年)、新製
■型式:三菱MAR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:1337(S44.6〜S56.3)
    1338(S44.6〜S59.7)
    (計2台)
 
 昭和44年度には路線車両の購入は行われず、代わりに2台の貸切専用車両が
投入され、1960年代の最後を締めくくりました。
 
 車台はこれまでも実績のあるMAR型とされ、車体は西工41MC型の高速・貸切型を
初めて採用していますが、前面・後面こそ貸切車の仕様であるものの、側面は昇降窓
立席窓を組み合わせており、リクライニングシートも装備しないという簡素な構成
特徴です(ハイバックシート仕様であり、補助席付)
 テールランプも貸切車に流行っていた「3連テール」ではなく、丸型連装で
メッキ加飾も無いシンプルなケーシングを採用しています。
 さらにエンジンも路線MR系標準の「6DB1型」のままであるため(165馬力)、走行
性能にも限界があったことが判ります。
 
 これは昭和30年代から続く、山口市営「伝統」の質素な考え方が反映された仕様
であり、貸切車の高級化に対する、保守的な一面の象徴なのかも知れません
 
 冷房も装備しておらず、遠征先のフェリーのなかでは、隣に停まっていた他社の
バスが冷房用エンジンを稼働させている状況で、排気ガスの侵入を防ぐため、全ての
窓を閉めるしかなかった(「隣のバスに文句を言うしかなかった」とも)という
エピソードが残されています。
 
 一方で、高級車ではなかったため汎用性は高かったようで、近距離、長距離一般
貸切から、「市内定期観光」にも充当されており、この時期の車としては、何れも
異例の長寿を全うしました。
 
 なお、正面の行燈に見える部分は「方向幕」で、表示の切り替えが出来るようです。
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■山2い845号(一番左の車。文献引用)
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■山2い1005号(文献引用)
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■山2い1012号(文献引用)
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■山2い1015号(右の車。文献引用)
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■山2い1203号(文献引用)
■山2い1207号型(ご提供写真)
■山2い1217号(ご提供写真)
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■山2い1337号型(右端の2台。文献引用)
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