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2013/5/5      2019/8/25
 
 
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山2い167号
 
■導入:昭和38年(1963年)、中古(昭和36年式、元・新三菱重工)
■型式:三菱R470改
■車体:呉羽
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:167(S38.4〜S47.8)
    (計1台)
 
 型式に「改」の文字がある本車は、もともと三菱でターボエンジンの試作車として
製作・使用されていたものを購入した、という経緯があるようです。
 
 しかし山口市営では、未だ実績の乏しかったターボ機器に対する信頼性の観点から、
早々にターボ機器類を取り外して使用したといわれており、山口市営では初めて
200馬力を超えた強力型(220馬力)と記録されていますが、正確なところは分かって
いません。
 また、型式の「改」とは、ターボ取り付けによるものなのか、逆に取り外しによる
ものなのも不明のままとなっています。
   
 こうした経歴を持つ本車ですが、中古の貸切車としては割と長期間活躍しており、
新世代の冷房付貸切車の登場まで活躍したのでした。
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山2い191号型
 
■導入:昭和38年(1963年)、中古(昭和34年式、元・岡山備北自動車)
■型式:日野BK11
■車体:金澤
■形状:センターアンダーフロアエンジン、前折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:191(S38.4〜S43.11)
    201(S38.4〜S43.11)
    210(S38.4〜S43.11)
    211(S38.4〜S43.11)
    (計4台)
 
 国体開催に備える最後の大量増車では、上記167号に続き、台数を即時に揃える
点からも有効な、中古車が選択されました。
 
 本型は、岡山では貸切車として使用されていたようで、左右席の何れにも小型の
補助席が備わり、床材は、緑と白の市松模様が描かれたロンリューム張りで、天井
には扇風機も装着されていたようです。
 山口市営ではこれらの装備のうち、網棚の増設に伴い扇風機を撤去したようですが、
他は最後まで残されていたのではないかと思われます。
 
 山口では貸切車としてではなく、路線車として用いられたため、将来的には乗降口
位置を改造するような計画もあったようですが、実施されることはなく、ワンマン
推進の影響からか、低出力(125馬力)の弊害か、僅か5年余りで姿を消しました。
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山2い197号型
 
■導入:昭和38年(1963年)、新製
■型式:三菱R470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:197(S38.4〜S48.5)
    198(S38.4〜S48.5)
    (計2台)
 
 昭和38年度の4月には、上記2形式を含めて計7台が導入されていますが、残る
2台は新製の貸切車となりました。
 
 本車に関する記録も乏しいため、詳細は不明ですが、床材には緑色のロンリューム
採用されており、最後まで貸切専用車であり続けたようです。
 
 昭和47年末には車検も切れたまま放置されていたようで、そのまま高出力貸切車
う362号型道を譲りました。
 
 令和元年7月に提供いただいた左の写真は、まさに放置されていた昭和47年頃の
もので、この左では、当時最新の貸切車である203号車が職員様と記念撮影をして
います(割愛しました)
 方向幕は「貸切」を示しており、最後まで貸切車としてあり続けた本車の意地を
感じさせる一枚です
 なお、写真では運転席にヘッドレストがあるようにも見えます。
山2い312号型
 
■導入:昭和38年(1963年)、新製
■型式:いすゞBU10(312)、BU10P(313)
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:312(S38.10〜S48.10)
    313(S38.10〜S48.10)
    (計2台)
 
 国体が開催された10月、納車が間に合って3台の新車が導入されています。
 そのうちの2台はいすゞの新世代車で、最新のBU型(190馬力)が選択されましたが、
わざわざサスペンションの形式を1台づつ変えているところに、試行的といいますか、
慎重な意図がみられます。
 
 本型は、前扉の川航丸型車体を纏い、最後まで貸切専用車として活躍しました。
 
 車内の床材は、通路部分が白と緑の市松模様、他は茶色のロンリューム張りだった
ようですので、今では思い切った配色のようにも思えますが、上記い191号型の
床材の特徴とも一致するもので、当時の貸切車の標準的な仕様だったということ
なのでしょう。
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山2い315号
 
■導入:昭和38年(1963年)、中古(昭和39年式、元・新三菱重工)
■型式:三菱MR470
■車体:西工?
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:315(S38.10〜S51.2)
     (計1台)
 
 上記BU型と同時に新製購入されたのは、下記い316号なのですが、さらなる
増車の必要性から中古の本車が急遽購入された結果、登録時期が重なり、さらには
新車の連番中に挿入される、という複雑な事態になりました。
 
 本車の出自は、これまでも購入事例のある車体の試作車(サンプルカー)なのですが、
西工製に酷似する車体は、実は西工製ではなく、関西方面のメーカーである、という
異説があります(東浦自工ではない模様)。
 
 現存する晩年の写真には西工車体のプレートがあり、車体も西工丸型そのものに
見えますので、実際のところ真相は定かではありません。
 
 一般路線車として購入された本車は、その後、車掌運用の終焉が迫る昭和47年
に車体の更新工事が実施され、「市内定期観光」の専用車にまさかの大抜擢。
 貸切塗装と専用の広告が描かれ、中扉車として最後の花道を飾りました。
山2い316号
 
■導入:昭和38年(1963年)、新製
■型式:三菱MAR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:316(S38.10〜S51.5)
    (計1台)
 
 10月に新製購入された最後の1台は、三菱のエアサス貸切車となりました。
 写真や図面は伝わっておらず、詳細は不明ながら、最新の看板車種として国体の
輸送に誇らしげに従事したことが想像されます。
 
 後に上記の「市内定期観光」が復活設定される際、専用車として好適だったのは
315号車ではなく、より貸切仕様に特化した312号型や、本車であったようにも
思えますが、これらは長距離用の貸切車として未だ温存されていたのかも知れません。
 
 なお、車体後部の「山 口 市 営」の文字が小さくならないよう、特注で後部の
エンジンルーバーを小さく加工し、塗装スペースを捻出していたようです
山2い358号
 
■導入:昭和39年(1964年)、中古(昭和35年式、元・山陽急行)
■型式:日野BD14P
■車体:西工
■形状:センターアンダーフロアエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:358(S39.1〜S43.11)
    (計1台)
 
 国体も終わったこの頃、老朽化したボンネットバスを置き換える目的で、1台のみ
中古車が購入されました。
 元・山陽急行の中古車という選択は、昭和30年頃から続いた山口市営の定石で、
計11台が導入されてきましたが、本車を以てその歴史にも終止符が打たれています。
 
 細かい仕様は判明していませんが、購入に際しては、どうやら前扉であったものを
中扉に改造したものの、工事を受託した美祢市内の業者の技量が甘かったようで、
ステップ部の腐食が激しく、ステップに立つ車掌や、乗客の乗降が危険であった
といわれています。
 そのためか、導入から5年も満たないうちに除籍されてしまいました。
 
 上記い191号型の前扉が結局改造されず、以降も山口市営では扉の移設・増設を
行っていないという点は、こうした教訓があったからなのかも知れません。
 また、山口市営では、以降の車は全て乗降ステップをステンレスで特注作成する、
という遠因にもなっているものと思われます。
山2い832号型
 
■導入:昭和41年(1966年)、新製
■型式:日野RB10
■車体:金産
■形状:リヤアンダーフロアエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:832(S41.9〜S50.9)
    833(S41.9〜S50.9)
    835(S41.9〜S50.9)
    (計3台)
 
 昭和40年代に入り、山口市営は、大きな変動期を迎えます。
 これまで緩やかに進行していたモータリゼーションの波は、国体準備とその輸送
という一大事業の陰に隠れていましたが、国体終了後、その影響は直接的に経営に
動揺を与えるまでに大きくなります。
 また、急速に行われた増車の反動からか、車両の購入には2年半以上の空白が生じ、
この間に経営合理化の観点から、将来的な「ワンマン運行化」にも迫られるように
なってきました。
  
 こうした事情を背景に導入された本型は、これまでの車両とは隔絶する仕様を
備えた画期的な車両として登場します。
 
 先ず、トレーラーバス以来となる片側2扉は、何れも初めて自動化され、中扉は
引戸という構造を採りました。
 車体の塗装には、新たに水色の帯が前幕板と腰部の全周に追加され、特に腰部の
後面は、緩くV字型を描いて結ばれていました。
 
 そのほか、数々の車掌乗務を不要とする仕様を持ちながらも、内外の激変緩和
措置として車掌乗務も出来るよう、装備の切り替えスイッチがあることも特徴です。
 そのため当ページでは、「ワンマン対応車」と呼ぶこととします。
 
 以降の山口市営では、4段階に分け、総勢50台の「ワンマン対応車」が登場
しますが、本型は初期のワンマン推進に貢献したのち、満10年の車齢を全う
して姿を消しました。
山2い836号型
 
■導入:昭和41年(1966年)、新製
■型式:いすゞBA20(836,837)、BU10(838)
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、前折・中引扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:836(S41.10〜S50.7)
    837(S41.10〜S50.7)
    838(S41.9〜S50.7)
    (計3台)
 
 この3台は同時期に導入されており、型式・仕様が異なりますが、同目的の類似
あるため、便宜上、「い836号型」として一括しておきます。
 
 昭和41年には、上記832号型と仕様を同一にする新製車が10台ほど購入されて
おり、日野/金産に続いては、3台のいすゞ/川航車が選択されました。
 
 ただし、この3台の内訳は、BA型(新BA系,130馬力)が2台と、BU型(190馬力)が
1台であり、想定された投入線区が異なることが判ります。
 また、BAのみは、製作中にワンマンカーの認可基準に変更があったようで、乗降扉
上部の蛍光灯の設置や、テープレコーダーの搭載等が行われた結果、やや導入時期が遅く
なっているようです。
 
 車体は何れも「角形」と呼ばれる新世代の仕様が選択されており、立席窓を廃した
外観と相まって、丸型車体が全盛期の当時としては、新鮮な存在感を放ったものと想像
します(屋根後部のみ丸妻形状)。
  
 昭和50年夏、さらに画期的な車両が登場したことにより、3台とも除籍されました。
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■山2い315号(文献引用)
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■山2い837号(文献引用)
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■山2い833号(左の車。ご提供写真)
■山2い198号(ご提供写真)
   ※交通局において