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山2-20093号型
 
■導入:昭和26年(1951年)〜昭和27年(1952年)、新製
■型式:いすゞBX91X
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、前折扉(後に中折扉)
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:20093(S26.12〜S34.8)
    20666(S27.10〜S39.2)、S34.10に「山2あ1015」へ登録替
    (計2台)
 
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20093号型」として一括して
おきます。
 
 本車型は、山口市営ではもちろん、山口県内でも初めてのリヤエンジン車の
導入事例として記憶されています。
 そのため主な用途は観光貸切で、特別塗装を纏い、県内各地を回ってその姿を
披露「山口市営の誇り」であったとさえいわれています。
 
 ただし、新しい動力方式の車としての完成度合は未熟だったようで、左右への
動揺が激しかったとの回想も聞かれました。
 
 20666号車は、「あ1015」と登録を変えた頃には前扉を埋めて中扉
方式に改造。
 塗装も一般色化され、路線運用に従事していました。
  
 20093号車は、晩年、県内の自動車教習所から払い下げを要請され、除却
処分されています。
 増え続けるリヤエンジン車の運転手を育成する教習車として、新たな使命を
与えられたのでした。
2017/1/9     2019/8/25 
山2-20584号型
 
■導入:昭和27年(1952年)、新製
■型式:日野BH10
■車体:不明
■形状:フロントエンジン、中折、前折扉
■用途:路線
■配席:セミクロス、ロマンス
■構成:20584(S27.5〜S38.12)、S34.10に「山2あ1026」へ登録替
    20665(S27.9〜S39.7)、S34.10に「山2あ1027」へ登録替
    (計2台)
  
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様はやや異なると思われますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20584号型」として一括して
おきます。
 
 前述の20066号型車に続き、新製導入されたBH型の2台です。
 このうち20584号車は、中折扉で車体前部がロングシート、後部がロマンス
シートというセミクロス配置であったといわれています。
 
 一方の20665号車は、前折扉のオールロマンスシートであったようです。
 廃車後の解体に際し、この20665号車の座席は、職員食堂向けに25脚が
転用されたといわれています。
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■山2-20093号(文献引用)
山2-20094号型
 
■導入:昭和25年(1950年)、新製
■型式:日野T13B/T26
■車体:新日国か
■形状:トレーラーバス、前中折扉
■用途:路線
■配席:セミクロス
■構成:20094(S25.3〜S32.8)、トラクター/20095、トレーラー
    20096(S25.7〜S32.8)、トラクター/20097、トレーラー
    (計2編成)
 
 今や「伝説」ともいえるトレーラーバスは、山口市営にも2編成が在籍して
いました。
 圧倒的な存在感を誇り、職員はもとより市民、特に少年たちには憧れの車
だったともいわれています。
 
 左ハンドルであったため歩行者の見切りはよく、客席と運転席が分離されて
いるため、ふんどし姿で運転する方も居た、という逸話を残します。
 また、客車扉は前後2か所にあり、車掌も2人乗務が必要だったほか、車掌
運転手の連携が不十分だと、車掌が路上に置いて行かれることもあったようです。
 
 本型は、その見た目通りの莫大な収容量を生かして幹線に君臨したと思われ、
後述する三菱R1型と共に、大量輸送時代を象徴する花形の名車でした。
 
 しかし急速に台頭してきたリヤエンジン車と比較して扱い辛くなったためか、
在籍した期間は意外と短く、その後は2編成とも日野ディーラーに買い取られた
ようです。
  
 なお、時期によって塗装は大きく変わり、印象が異なるのも興味深い点です。
 最終的には、写真の一般色に落ち着いています。
 左ハンドルであることがよく分かる写真ですね。
 
 撮影場所は、アーケード化される前の商店街で、現在の井筒屋付近です。
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■山2-20096号(文献引用)
山2-20585号型
 
■導入:昭和27年(1952年)、新製
■型式:三菱R11
■車体:富士
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20585(S27.5〜S36.5)、S34.10に「山2あ1036」へ登録替
    20679(S27.11〜S36.5)、S34.10に「山2あ1037」へ登録替
    (計2台)
  
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20584号型」として一括して
おきます。
 
 上記の20584号車と同時期には、三菱にも大型車が発注されており、
トレーラーバスに次ぐ大きさの巨体が出現することとなりました。
 
 それが三菱初の大型リヤエンジンバス「R1」型で、「日本最大のバス」といわれ、
首都圏など大都市向けに35台が製造された特異な車です。
 なんと、そのうちの2台を山口市営が新製で発注していたものですから、現代
の山口市の状況からすれば驚かされます。
 
 左の写真は空中写真で不鮮明ですが、居並ぶ車の中でも一際大きい本型の姿が
印象的です(一番上と、上から3番目の車)。
 
 ただ、いすゞ車と同様に車としては未熟な部分も多く、車内に突き出した
エンジンルームの蓋は焼けるように熱く、目玉焼きが作れたとか、エンジンが
逆回転を起こし易い構造だったようで、その場合には、天井の吸気口から
モクモクと黒煙が立ち上り、吸気口内部に貯められた粉塵吸着用のオイルが
発火するなど、豪快なエピソードも残しています。
 
 20585号車は、廃車後に職業訓練学校で教材として再利用されたようです。
■山2-20585号型(文献引用)
山2-20743号型
 
■導入:昭和28年(1953年)、新製
■型式:三菱R23
■車体:富士
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20743(S28.4〜S36.9)、S34.10に「山2あ1038」へ登録替
    20760(S28.7〜S38.12)、S34.10に「山2あ1040」へ登録替
    20761(S28.7〜S38.4)、S34.10に「山2あ1041」へ登録替
    (計3台)
  
 この3台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20743号型」として一括して
おきます。
 
 上記20585号型(R1型)の翌年には、モデルチェンジされたR20系が導入
されました。
 
 富士車体の彫の深い前窓と、プロペラ型の巨大なエンブレムが印象的で、幹線の
主力として宇部方面の路線に入っているものや、貸切車として梯団運行している
写真も見受けられます。
 
 なお本型のうち、少なくとも20743号車と20761号車は、昭和32年
頃に後述する「あ281号型」と座席を交換する形で、ロングシートに改造された
ものと思われます。
■山2-20743号型(文献引用)
山2-20744号型
 
■導入:昭和28年(1953年)〜昭和29年(1954年)、新製
■型式:日産BU90
■車体:新日国、渡辺(?)
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20744(S28.4〜S35.12)、S34.10に「山2あ1005」へ登録替
    20921(S29.4〜S35.12)、S34.10に「山2あ1006」へ登録替
    20922(S29.4〜S36.4)、S34.10に「山2あ1007」へ登録替
    (計3台)
  
 この3台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20744号型」として一括して
おきます。
 
 本型は、今では極めて珍しい幻の車で、車名は「コロナ」といいます。
 後にトヨタで量販される乗用車の名称と同一であり、型式も後のいすゞ車に
類似するものですので、資料もなかなか見つからず、歴史に埋もれてしまう宿命
を持ち合わせているような気がしてしまいます。
 
 ただ、山口市営の中にあっては、小型で流麗な車体デザインのためか、貸切
用途に使われることも多かったようです。
 (一方で、厚狭線のような過酷な路線に投入されたという話も聞きます)
 
 在籍期間が短かった原因は、ガソリン車ゆえの燃料費高騰と、製造中止による
部品の入手難であったといわれています。
 
 なお、20921号車、20922号車は、型式が「R4A75」とする資料もある
ようですが、これは渡辺車体の型式に類似することから、新日国車体ではなかった
のかも知れません。
 
 左の写真は、「花バス」として装飾を施される20922号車です。
■山2-20922号(ご提供写真)
山2-20751号型
 
■導入:昭和28年(1953年)、新製
■型式:いすゞBX95X
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20751(S28.5〜S40.12)、S34.10に「山2あ1016」へ登録替
    20752(S28.5〜S40.3)、S34.10に「山2あ1017」へ登録替
    (計2台)
  
 前年までに導入された前扉のBX91X型に続き、今度は中扉専用形式のBX95Xも
導入されました
 
 車両の詳細は不明ながら、残された写真からは、新製時は左右の前窓を1枚窓
とした特注仕様とされていたように見えます(後に通常の分割窓に交換された
模様)。
 
 また、20751号車では、導入から6年後にエンジンを純正のDA45型
(90馬力)からDA48型(100馬力)に換装しており、若干の出力向上がみられ
います。
 
 一方の20752号車は、大橋バス停付近で崖下に転落した写真も残されて
居ますが、この事故では廃車とならず、寿命を全うしたようです。
 
 左の写真は、下記21072号型と同じBX95X型車ですが、前窓のワイパーが
運転席側にしか設置されていないという特徴から、本型であると推測します。
山2-21072号型
 
■導入:昭和30年(1955年)、新製
■型式:いすゞBX95X
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:21072(S30.4〜S40.7)、S34.10に「山2あ1018」へ登録替
    21073(S30.4〜S42.12)、S34.10に「山2あ1020」へ登録替
    (計2台)
  
 上記20751号型に続き、再びBX95X型が2台導入され、本型の場合も前
左右の各窓が1枚窓化された、特注仕様が選択されています。
 また、他の車の多くが昭和40年近くになってから搭載していたヒーターも、
本型は新製時から装備する豪華仕様車となっています。
 
 そのためか、本型は主に秋芳洞線などの観光路線に投入され、車体にもその旨の
表記あったようです。 
 さらに21072号車は、昭和31年の昭和天皇山口行幸に際しては、報道関係
者を乗せてその車列に加わるという、名誉ある重任を果たしました。
 
 左の写真は、方向幕左右に装飾があるBX95Xのものであり、昭和29年以降の後部
通気口形状、及び助手席側ワイパーなどから、本型車であると推測するものです。
 なお、特徴的だった前窓は、昭和35年頃のこの写真では、既に通常の分割窓に
交換されていると思われます。
山2-21077号
 
■導入:昭和30年(1955年)、新製
■型式:日野BD32
■車体:渡辺
■形状:センターアンダーフロアエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング
■構成:21077(S30.5〜S42.8)、S34.10に「山2あ1028」へ登録替
    (計1台)
  
 およそ3年ぶりに導入された日野車である本車は、センターアンダーフロアの
BD型となり、中扉専用形式であるBD32型が、1台だけ導入されました。
 
 新しい動力方式に対して、運用上の検証を行うための選択だったと推測されます
が、後にセンターアンダー車は、局内では「アンフロ」といわれるほど存在感を
持つグループになっていきます。 
 
 その最初の1台となった本車は、車台を交通局が購入し、九州の渡辺車体にて
架装を行ってから納車されたといわれています。
 車内は三方ロングシートだったようですので、通勤通学輸送に威力を発揮した
のでしょう。
 
 左の写真の撮影は大雪の日だったようで、エンジンの無い後部に雪を積もらせて
運行する本車の様子が印象的です。
 
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■山2あ1028号(文献引用)
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■山2-20751号型(文献引用)
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■山2あ1027号(文献引用)
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■山2-21072号型(文献引用)
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