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山2あ0093号型
 
■導入:昭和30年(1955年)〜昭和31年(1956年)、
     中古(昭和28年式、元・山陽急行)
■型式:いすゞBX95X
■車体:川航
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:93(S30.12〜S38.3)
    112(S31.4〜S38.5)
    (計2台)
 
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同車であるため、便宜上、「山2あ93号型」として一括しておきます。
 
 昭和30年にナンバープレートの様式に変更があったため、以降に登録された
には平仮名の表記が付くようになり、本車型はその最初の例となりました。
 
 ただし、この2台は共に昭和28年式の中古車で、後に多くが採用された
山陽急行の元所属車です。
 山陽急行の中古車は、仕様が充実していた割に安価だった、といわれています。
 また、運転手個人も車と一緒に山口市に移籍採用された例がある、という逸話も
伺いました。
 
 左の写真は、海水浴客の輸送に従事した際の112号のものですが、トレッドの
狭い前輪、傾斜した前窓、左右に開閉する通風口や、最後部の窓が吸気口として
潰されているという特徴的な造形がみてとれます。
 
 購入に際してメッキ部品は全て再メッキされたほか、最後部席が4人掛け
から5人掛けに改造されたといわれています。
2017/1/9     2019/5/1 
山2あ0141号
 
■導入:昭和31年(1956年)、中古(昭和27年式、元・自家用貨物)
■型式:いすゞBX91
■車体:渡辺
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング
■構成:141(S31.6〜S42.7)
    (計1台)
  
 昭和31年には、路線の拡充用として多くの中古車が導入されていますが、
その中でも最も特異といえるのが本車でしょう。 
 
 本車の前身は、下関にあった菓子メーカーの宣伝車(商品名:王様ビスケット?)
で、窓や客席は無く、車体外板は広告看板となっており、車内は商品用の荷台に
なっていたといわれています。
 
 そのため旅客輸送に用いるには車体の換装が必要となり、新たに渡辺車体で
新製した車体(4B65型)を架装したうえで納車されているようです。
 
 車体更新の効果か、本車も昭和42年まで在籍するという長寿を記録しました。
■山2あ0112号(文献引用)
山2あ0181号型
 
■導入:昭和31年(1956年)、中古(昭和28年式、元・山陽急行)
■型式:いすゞBX95X
■車体:川航、西工(?)
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:181(S31.7〜S40.5)
    185(S31.7〜S39.5)
    (計2台)
  
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同車であるため、便宜上、「山2あ181号型」として一括しておきます。
 
 本車型のうち、185号車については元・山陽急行であるという出自が判明して
いますが、181号車については不明な点が多いものの、同時に購入されていること
から、同様の経緯を持つ車であると推測されます。
 
 また、185号車は西工車体という説もありますが、181号車が左の写真のように
川航車体であるため、こちらも同仕様であった可能性が高いと思われます。
 
 この写真では、昭和28年までのBX型に採用された、最後部窓を潰す形の通気口
の様子もよく分かります(前走する上記112号車も同様)。
 
 後の廃車に際しては、185号車は県内の中古車業者に売却されたようですので、
継続して活躍していたのかも知れません。
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山2あ0130号型
 
■導入:昭和31年(1956年)、中古(昭和30年式、元・国際興業)
■型式:いすゞBX95-7
■車体:川航
■形状:フロントエンジン、前折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:130(S31.4〜S42.11)
     131(S31.4〜S42.11)
          132(S31.4〜S42.9)
     (計3台)
  
 路線の拡充用として、新たに中古のボンネットバスが3台導入されましたが、
どういう経緯からなのか、国際興業から直に買い付けるという実績を残しています。
 
 年式は僅かに1年落ちですので、こうした場合は、よほどの欠陥車か粗悪車と
疑ってしまうものですが、特に大きな不具合は無かったようで、当時の中古車
としては珍しく、10年以上も現役を続けました。
 
 多くのボンネット車が姿を消していく中でも狭隘路線用として残されたのか、
ワンマン対応が大量導入された昭和42年末まで在籍し、山口市営ボンネット
の最後を飾りました。
 
 左の写真は不鮮明ながら、車体形状から本型車であると推定されるものです。
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■山2あ0181号(文献引用)
山2あ0281号型
 
■導入:昭和31年(1956年)、新製
■型式:三菱WR270
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング(後にロマンスへ改造)
■構成:281(S31.12〜S43.1)
    282(S31.12〜S42.11)
    (計2台)
  
 およそ3年ぶりの三菱車となった本型は、三菱初のフレームレス・モノコック構造
を採用したWR型(西工用型式)となりました。
 また、前述のトレーラーバスの更新が目的とされ、輸送力を重視したためか、この
大きさながらも三方ロングシートの仕様が選択されたようです。
  
 ただし購入の翌年には、前述の20743号型車と座席を交換する形でロマンス
シート改造されており、貸切用途にも用いられたといわれています。
 
 定員70名を超える貴重な大型車として、ワンマン対応車が大量導入されるまで
活躍を続けました。
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山2あ0325号型
 
■導入:昭和32年(1957年)、新製
■型式:日野BD33
■車体:金澤
■形状:センターアンダーフロアエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:325(S32.4〜S42.12)
    326(S32.4〜S42.12)
    327(S32.4〜S43.3)
    328(S32.4〜S42.12)
    329(S32.4〜S42.12)
    (計5台)
  
 2年前のBD32型車に続き、今度は一気に5台の新製「アンフロ」車が導入されて
います。
 
 しかも交通局に納車されたのは金曜日の夜でありながら、翌土曜日には陸運局
申請し無理に開局してもらって車検を通した後、早くも日曜日には貸切運用に
就いたという、当時らしいエピソードを残しています。
 
 購入の翌年には、全車が座席を金澤産業製の緑色の起毛モケットに交換している
ようです。
 
 なお327号車は、昭和38年10月の山口国体での選手輸送中に、小郡駅前通り
交差点において交通事故に遭い、大破。
 二か月間かけて西工で復旧修理をされているといいます。
 そのためか、同車のみ昭和43年まで在籍することとなりました。
 
   ■山2あ0329号(文献引用)
  ※前から連続5台が本型車
  ※小郡駅に乗客を迎えに行く途中、
   全車停車のうえ計画的に撮影された模様。
山2あ0437号型
 
■導入:昭和32年(1957年)〜昭和33年(1958年)、新製
■型式:三菱WR270(437)、275AS(575,576,765)、280改(601)
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス(601以外)、ロング(601のみ)
■構成:437(S32.7〜S43.12)
    575(S33.2〜S45.6)
    576(S33.2〜S45.6)
    601(S33.4〜S43.12)
    765(S33.10〜S45.4)
    (計5台)
  
 この5台は同時期に導入されており、型式・仕様が異なりますが、同目的の類似
あるため、便宜上、「あ437号型」として一括しておきます。
 
 上記あ281号型に続き、WR270系列が増強されており、このうち「WR275AS」型は
中扉専用形式と思われますが、車重が100キロ重い以外は、ホイールベースを含む
車体寸法なども同一のようですので、詳細は不明です。
 また、車検証上は「WR270」と表記されているようです。
 
 一方の601号車(WR280型)については、この系統において唯一の短尺車である
ため、区別は容易です。
 ただし、山口市営が導入した車両は「改」と表記されており、何か特殊な個体だった
かもしれません。
 DB7型エンジン(130馬力)は変更されていなかったようですが、ターボチャージャー
を搭した試作車(のターボ撤去車?)だったのでしょうか。
 この場合は、本車の出自は中古車という可能性も考えられます。 
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■山2あ0575号(文献引用)
  ※左は山陽急行の車
山2あ0438号型
 
■導入:昭和32年(1957年)〜昭和33年(1958年)、新製
■型式:いすゞBA343C
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング
■構成:438(S32.7〜S43.2)
    440(S32.7〜S43.2)
    602(S33.4〜S43.6)
    603(S33.4〜S43.12)
    (計4台)
  
 この4台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なると思われますが、
同目的の同車であるため、便宜上、「山2あ438号型」として一括しておきます。
 
 いすゞ製の車としては、従来のBX系から新世代のBA系となって最初の導入事例で、
何れもBA系に追加されたばかりの短尺型、そして西工車体が選択されています。
 
 車内は三方ロングシートで、狭隘地の通勤通学輸送に従事したものと推測。
 昭和40年頃には、全車ヒーターを搭載しました。
 
 なお、何れの車も同時期にエンジンを交換修理し、特に438号車は2回も交換
しているようですので、状態があまり良くなかったのか、或いは酷使されたものと
思われます。
 
 廃車後は、602号車が自動車学校に教習車として売却されているようです。
 
 左の写真は、BA343型車4台のうち、系統幕を装備するため昭和33年度の購入車
とみられるものです(602号車か603号車が該当)。
 後方から3番目の窓には、ロングシートの端にあった仕切り板が見えています。
山2あ0713号
 
■導入:昭和33年(1958年)、中古(昭和26年式、元・長門鉄道)
■型式:いすゞBX91
■車体:川航
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:不明
■構成:713(S33.7〜S36.1)
    (計1台)
  
 本車購入の経緯としては、仁保線、厚狭線などの狭隘路線向けに使用していた
小型車の代替という名目だったようですが、実際のところは、予備としてのDA型
エンジンの中古品を探していたところ業者から本車を紹介され、そのまま車体ごと
購入したもののようです。
 
 しかし結局エンジンだけを残すことになったのか、僅か2年半程度で除籍されて
おり、どこまで車として路線の維持に貢献したのかは定かではありません。 
 
 本車の場合、それ以上に興味深いのは元「長門鉄道」の所属車だったということの
方で、幻の「長門鉄道バス」の一端に触れる思いが致します。
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■山2あ0130号型(文献引用)
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■山2あ0438号型(文献引用)