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山601号型
 
■導入:不明
■型式:三菱B1
■車体:不明
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:不明
■構成:不明
 
 最初にご紹介する1台は、昭和23年夏に「発足5周年」を記念して撮影された
という有名な写真に登場する車です。
 
 実は本車以前にも多くの車が在籍していたようですが、戦後の火災影響
現存資料が著しく乏しいため、本車から車両編を始めて参ります。
 
 その本車も残念ながら詳細な資料は残されていないものの、戦前からの
小型車まだまだ多く在籍する中では、当時の公営企業局を代表する1台
だったと思われます
 
 「B1型」は、戦後の三菱が初めて生産したバスですが、その最新の大型車を
直ちに導入していたことからも、当時の山口市の交通需要の大きさがうかがえ
ます。
 
 なお、本車はガソリンエンジンを搭載していたようですが、後に燃料事情の
悪化から「木炭仕様」に改造されたといわれています。
  
 撮影地の「御茶屋橋」は、当時の車庫があった付近にあり、現在の「一の坂
川交通交流広場」に隣接します。
 そして、背景の建物(米穀店)は現存しています。
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■山601号(文献引用)
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山2-20007号型
 
■導入:昭和26年(1951年)、新製
■型式:三菱B25
■車体:梁瀬
■形状:フロントエンジン、前折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20007(S26.7〜S39.12)、
                    S34.10に「山2あ1030」へ登録替、写真1
    20072(S26.12〜S39.5)、
                    S34.10に「山2あ1033」へ登録替
    (計2台)
 
 この2台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なるとは思われ
ますが、同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20007号型」として
一括しておきます。
 
 本車は、前年までに導入したB22型車(下記)のマイナーチェンジ版として導入
された長尺の車です(昭和26年にB22型はB25型へ移行)。
 車体形状としては、B22型より若干ホイールベースが伸び、エンジン部大きく
前に突出しているため運転の難易度が高く、局内では「マンモス」と称された
といわれています。
 
 20007号車は、B25の前期型にあたるのか、写真ではフロントは塗装グリルの
ようです。
 一方の20072号車は後期型となり、フロントグリルがメッキ仕上げだったという
証言もありますが、左のような末期の写真では、白色で塗りつぶされています。
 
 塗装は当初「あずき色」でしたが、後に赤白の「標準色」に変更されています。
2017/1/8      2019/8/25 
 
 戦時中の昭和18年(1943年)、国策によって誕生した市営バス(当時は「山口市運輸水道部」、後に「運輸課」として
独立)は、戦後の混乱期、欠かすことのできない市民の重要な移動手段として、その地位を確立していきます。
 
 空前の輸送需要への対応と、戦前から酷使してきた粗悪な旧型車を置き換えるため、思い切った増車・投資も行われ、
組織としても若手の大量雇用などで勢いを増しつつありました。
 
 ここでは、辛うじて今に残る資料から、1950年代頃の様子を趣味的な視点で可能な限りご紹介してまいります。
 
 ■更新履歴:2019/9/1 20074号型20922号車の写真を追加
 
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山2-20063号型
 
■導入:昭和25年(1950年)〜昭和26年(1951年)、中古?
■型式:三菱B22
■車体:梁瀬
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20063(S25.10〜S39.4)、S34.10に「山2あ1031」へ登録替
    20064(S25.10〜S39.6)、S34.10に「山2あ1032」へ登録替
    20073(S26.4〜S38.4)、S34.10に「山2あ1035」へ登録替
    20092(S25.1〜S32.8)、中古
    (計4台)
  
 この4台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なるとは思いますが、
同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20063号型」として一括して
おきます。
 
 上記B1型(601号)に続き、昭和25年からはB2型の標準尺が導入されました。
 
 このうち、20092号車に関しては、三菱車という以外は情報がないものの、
導入年と他車の配置数を考慮すると、B22型ではないかと推測しています。
 
 また、本車型は取得価額が上記20072号車の約半額程度ですので、全てが
中古車だった可能性もあります(20072号車の214万円に対して、111〜118万円
程度)
 
 なお、5桁のナンバープレートが山口県で規定されたのは昭和26年からの
ようですので、登録替えが行われた結果、この時期は本型のように交通局での
導入順と登録番号が前後するものが多くなっている、という特徴があります。
 (※当サイトでは、この「5桁時代」は原則として番号順でご紹介しています)
山2-20065号型
 
■導入:昭和25年(1950年)〜昭和26年(1951年)、新製
■型式:いすゞBX91
■車体:不明
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20065(S25.10〜S36.7)、S34.10に「山2あ1008」へ登録替
    20068(S26.3〜S36.7)、S34.10に「山2あ1010」へ登録替
    20069(S26.3〜S36.10)、S34.10に「山2あ1011」へ登録替
    20071(S26.4〜S34.11)、S34.10に「山2あ1012」へ登録替
    20076(S25.4〜S36.1)、S34.10に「山2あ1013」へ登録替
    (計5台)
  
 この5台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なるとは思われ
ますが、同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20065号型」として
一括しておきます。
 
 戦後、圧倒的なシェアを誇ったいすゞのBX型は、山口市営でも多数が導入されて
いますが、その最初の車型はBX91でした。
 
 このうち、左の写真は初期型のもので、「山328」号となっておりますが、
山口市営におけるBX91の初期型は、登録年月日や写真記録より「20076」号車
しか確認できないことから、同車の登録姿であると推測されます。
■山328号(文献引用)
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■山2あ1033号(文献引用)
山2-20066号型
 
■導入:昭和26年(1951年)、新製、中古
■型式:日野BH10
■車体:不明
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロマンス
■構成:20066(S26.2〜S39.12)、S34.10に「山2あ1021」へ登録替
    20067(S26.2〜S38.5)、S34.10に「山2あ1022」へ登録替
    20070(S26.4〜S38.12)、S34.10に「山2あ1023」へ登録替
    20075(S26.4〜S37.6)、中古、S34.10に「山2あ1025」へ
     登録替
    (計4台)
  
 この4台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なるとは思われ
ますが、同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20066号型」として
一括しておきます。
 
 日野車の導入は、後述するトレーラーバスが初めてのものでしたが、翌年には
本型のようなボンネットバスが選択されています。
 
 このうち20075号車は、製造番号が「80001」という試作車を中古で購入
しているといわれており、興味深いところです(車体メーカー単位の製造第1号
なのかも知れません)。
  
 左の写真は、年式的に本型の登録替前のものだと思われますが、どの個体に
該当するのかは、現時点では判明していません。
 
 他車が油圧ブレーキだった時代、エアブレーキを採用した本型車の操縦には
大変苦労させられた、という思い出話が現在も多数聞かれます。
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■山74号(文献引用)
山2-20074号型
 
■導入:昭和19年(1944年)〜昭和25年(1950年)
■型式:トヨタKC、BM、BL
■車体:刈谷、渡辺、新日国
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング
■構成:20074(S25.4〜S34.5)
    20079(S23.5〜不明)
    20080(S21.8〜不明)
    20081(S22.8〜不明)
    20082(S21.7〜不明)
    20084(S19.5〜不明)
    20091(S24.9〜S34.12)、S34.10に「山2あ1001」へ登録替
    20890(S19.11〜S32.8)
    (計8台)
  
 この8台は戦中から戦後のほぼ同時期に導入されており、仕様は異なると
思われますが、同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20074号型」
として一括しておきます。
 
 本型は、全てトヨタ製の小型バスで、ガソリンエンジンを搭載し、木造の
車体を持つグループです。
 今に伝わる記録や、各方面の回想では、既に老朽車両としてのみ記憶される
存在ですが、大戦末期、そして終戦直後の山口の最も厳しい時代を支えて
乗り越えた、尊い「功労車」ともいえるでしょう。
 
 なお、型式は昭和19年からがKC型、昭和22年からがBM型、昭和24年から
BL型となっておりますが、山口市営では車体も塗装も統一されておらず、雑多
様相を呈していたと思われます。
 
 このうち、20890号車は、昭和28年に吉敷の事故で大破、走行不能と
なっており、車体を更新のうえ復帰した模様ですが、その間に登録を切られた
のか、仲間とは違う飛び番号で再登録されています。
 
 20079号車は、昭和30年に下記20088号車と併せて、車体を
全金属に更新しているようです。
 
 20091号車は、同グループ中で最も長く存命したと思われ、昭和34年
の登録替えの際には、山口市営に割り当てられたと考えられる旧車用の数字の
中でも、最も若い「1001号」を拝命しています。
 
 左の写真は小郡車庫のもので、小型の車体形状や窓形状などから、入庫する
のは本型車の1台ではないかと推測するものです。
山2-20087号型
 
■導入:昭和22年(1947年)〜昭和24年(1949年)
■型式:日産180
■車体:渡辺
■形状:フロントエンジン、中折扉
■用途:路線
■配席:ロング
■構成:20087(S22.3〜S32.8)
    20088(S24.1〜S32.2)
    20089(S24.7〜S35.2)、S34.10に「山2あ1002」へ登録替
    20090(S24.7〜S35.4)、S34.10に「山2あ1003」へ登録替
    (計4台)
  
 この4台はほぼ同時期に導入されており、仕様は僅かに異なるとは思われます
が、同目的の同型車であるため、便宜上、「山2-20087号型」として一括
しておきます。
 
 ガソリンエンジンの車は、トヨタ車に続いて日産車も導入されており、道幅の
狭い支線向けに採用されたと推測されます。
 しかし燃料事情の悪化から、20087号車は木炭車に改造された経歴もある
ようです。
 
 後にこのグループは、全車が車体を全金属(渡辺4B60型)のものに更新しており、
客室のみならず、エンジン部分周辺も昭和26年以降の日産車にみられる
エンジンフード1枚跳ね上げ式の新デザインに変更されました。
 
 中でも特筆すべきは20089号車で、「結婚式専用車」と名付けられ、
自家用車やタクシーの少ない時代、市内で行われる結婚式の参加者輸送を一手に
担っていたといわれています。
 そのため、赤と白の車体は他車よりも一層ピカピカに磨き上げられ、ハレの日の
演出に一役買っていたようです。
 
 左の写真は空中写真のため不鮮明ですが、フェンダーとボンネットの塗り分け、
車体形状などから本型車であると推測するものです。
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■山2-20087号型(文献引用)
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■山2-20063号型(文献引用)
 ※推定、左から2番目
 ※場所は現在の山口中央郵便局付近です。
 
 (背景の白い建物が当時の市役所であり、
  後に郵便局に建て替え)
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■小郡車庫における、同型車と思われる車
      (ご提供写真)