■山2い1337号型
■導入:昭和44年(1969年)、新製
■型式:三菱MAR470
■車体:西工
■形状:リヤエンジン、前折扉
■用途:貸切
■配席:ロマンス
■構成:1337(S44.6〜S56.3)
1338(S44.6〜S59.7)
(計2台)
昭和44年度には路線車両の購入は行われず、代わりに2台の貸切専用車両が
投入され、1960年代の最後を締めくくりました。
車台はこれまでも実績のあるMAR型とされ、車体は西工41MC型の高速・貸切型を
初めて採用していますが、前面・後面こそ貸切車の仕様であるものの、側面は昇降窓
に立席窓を組み合わせており、リクライニングシートも装備しないという簡素な構成
が特徴です(ハイバックシート仕様であり、補助席付)。
テールランプも貸切車に流行っていた「3連テール」ではなく、丸型連装で
メッキ加飾も無いシンプルなケーシングを採用しています。
さらにエンジンも路線MR系標準の「6DB1型」のままであるため(165馬力)、走行
性能にも限界があったことが判ります。
これは昭和30年代から続く、山口市営「伝統」の質素な考え方が反映された仕様
であり、貸切車の高級化に対する、保守的な一面の象徴なのかも知れません。
冷房も装備しておらず、遠征先のフェリーのなかでは、隣に停まっていた他社の
バスが冷房用エンジンを稼働させている状況で、排気ガスの侵入を防ぐため、全ての
窓を閉めるしかなかった(「隣のバスに文句を言うしかなかった」とも)という
エピソードが残されています。
一方で、高級車ではなかったため汎用性は高かったようで、近距離、長距離の一般
貸切から、「市内定期観光」にも充当されており、この時期の車としては、何れも
異例の長寿を全うしました。
なお、正面の行燈に見える部分は「方向幕」で、表示の切り替えが出来るようです。