■山口22う3106号型
■導入:平成7年(1995年)、新製
■型式:三菱U-MK618J
■車体:MBM
■形状:リヤエンジン、前折・中折扉
■冷房:三菱(直結)
■用途:路線
(計7台)
昭和52年(1977年)頃に導入された旧年式車を一気に淘汰するため、市営解散まで
残り4年というタイミングで、新車7台が導入されています。
強化される排出ガス規制を目前に控え、車両価格が引き上げられるのを回避するため
大量購入に踏み切ったという経営判断には賛否両論あると思われますが、交通局の移転直後
に導入されていることから、新庁舎と新車で心機一転を図っているようにも見えました。
仕様としては、外観は上記う3055号型と同様ですが、雨樋は今度こそ指定の形状となり、
車内では柱・天井の塗装は従来のクリーム色から白色に、床は大理石調から灰色に、座席
モケットは緑色から青色に変えられ、最新装備として音声合成装置を導入、運転席の装置
配置が整理されるなど大きな差異がみられます。
さらに平成9年(1997年)には前後扉の下端に可動式の補助ステップが改造によって
装着され、高齢者への配慮が行われました(泰平製。工事は西工小倉で1台づつ交替で
実施。1台の施工費約60万円。後年、前扉部のステップは逆に危険と判断され全車撤去)。
平成11年3月、3114が「山口市営バス」として最後の路線便を担当(車庫到着)。
防長交通に編入された後は、その3114が「特定」(スクールバス)や「貸切」に用途
変更され、路線装備を撤去のうえ山口市外へ転出した以外は、何れも最近まで比較的高い
頻度で目撃することが出来ました。
しかし、平成28年(2016年)10月には3113が変速機の故障により廃車、
翌年6月に解体。
平成29年(2017年)10月と11月には3106と3108が状態不良により廃車、
12月に解体。
平成30年(2018年)3月には、3112が電装不良により廃車され直ちに解体。
令和元年(2019年)7月末には3107が状態不良で廃車、10月には路線規模の縮小
のため、満身創痍の状態ながら最後の第一線で活躍を続けた3109も解体処分。
本型で唯一残った3114は、平成23年(2011年)に萩市の田万川中学校で送迎バス
として転出した後、平成27年(2015年)春には周南営業所へ転属し、補助ステップを撤去、
音声合成装置を再搭載、GPSとタコグラフを設置して競輪輸送や波動輸送に従事。
平成30年(2018年)からは平生営業所に移籍し、車外録画装置が設置されたものの
特に運用や用途も持たず実質的に休車状態に置かれ、そのまま令和2年(2020年)3月末に
除籍されました。
それは「最後の赤バス」による、「赤バス」67年間の静かな終焉でした。