■山口22う2892号型
■導入:平成4年(1992年)、新製
■型式:三菱U-MK517J
■車体:新呉羽
■形状:リヤエンジン、前折・中折扉
■冷房:三菱(直結)
■用途:路線
■構成:2892(H4.7〜H25.5)写真1、2、3
(計5台)
3000は間隔を空けて導入され、仕様も僅かに異なりますが、同目的の同型車
であるため、便宜上「う2892号型」として一括しておきます。
前年にも山口市営では同型車(1台)が導入される計画があったようですが、国の
補助金削減の方針もあって、結局発注は中止されたようです。
そこで平成4年度は久しぶりにまとまった台数が発注され、非冷房・旧型車の
置き換えを促進しました。
本型の仕様は上記う2675号型とほぼ同様に製作されましたが、排ガス記号が
「U」となり、床材の模様、運転席時計の形状、冷房の熱交換機が車体前方に移設
されているなどの差異があります。
さらに3000は、広告枠が非装着で納車されたほか、冷房の型式が変更され、
「MMC」のエンブレムが前扉後ろに装着されています。
ただし、最大の変更点は、外観に新しい配色を採用したことに尽きるでしょう。
これは「赤字」(赤地)を減らして「黒字」(黒地)を増やすという意志のもとに
考案されたといわれ、現代的で軽快な印象に仕上げられた見事な配色でした。
あまりに斬新であり、また、伝統の配色を変更することには内外にも躊躇いがあった
ようですが、結果的には現代でも十分に通用するモダンな配色となりました。
後年には、旧式車でもこの配色に変更される車まで登場しています。
本型は市営時代には中心的な存在として活躍を続けていましたが、高出力の新車
導入や、防長交通編入後はノンステップ車が活躍の主流となり、予備車の扱いで
見かける機会が少なくなっていきました。
平成18年(2006年)には、2893が事故でフロントを全損し廃車。
平成24年(2012年)3月には2892が防府営業所に転属し、路線装備を解除
のうえ、防府競輪の無料シャトルバス(愛称「りんりん」)の専従仕様に改装され
ました。
そしてこの状態のまま、平成25年(2013年)5月に廃車、解体されています。
平成27年(2015年)10月には2894が、同年12月には2895も廃車。
令和元年(2019年)10月、最後まで残った3000が車齢26年という記録を
残して遂に廃車され、廃形式となりました。
なお同車は、山口県内最後の路線MK517型であり、また、新呉羽解散の僅か11日前
に納車されたという、同社で最末期の製品だったようです。