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私が前回奄美大島を訪問したのは、2004年9月のことでした。
そのときの様子は「特別企画3」でもまとめておりますが、これは奄美交通が営業を終了すると発表されたため、
急遽訪問した取材の内容になっています。
 
ところがその後、奄美交通は一転して廃止の意思を撤回。
奄美交通の路線や営業基盤を引き継ぐ筈だった「道の島交通」とまさかの競合関係に陥るという、予想外の方向に
転換し、大島内の交通は、一時混乱の様相を呈しました。
 
こうした状態はあまり長くは続かないだろうと思われて4年。
鹿児島を中心とするバスのサイト様の情報によれば、とうとう2008年の4月末を以って正式に廃止されることが
分かりました。
 
そして気になる旧山口市営の車の動向ですが、この時点でも無事が確認されます。
そこで彼らの最後の力走を捉えようと、私は再び奄美大島に向かったのでした・・・。
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奄美交通に売却された旧山口市営バスを追って、局長は再び奄美大島へ渡りました。
5回目の特別企画は、そのときの様子をご報告致します。
 
 
●更新情報:2009/3/25 情報追加
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■奄美市到着
 
今回は金沢在住であったことと、社会人となり金銭的にも余裕が出てきた時期
だったので、伊丹空港から飛行機で行き、1泊2日程度の行程を計画しました。
 
本土との空路は、伊丹と東京羽田、鹿児島空港しか開設されておらず、伊丹発の
場合は往復で7万円程度も運賃がかかります。
それでも時間と体力をかけて陸路・海路で行くよりは、前回の教訓から、こちらの方が
楽なはずだと納得するしかありません。
 
そして伊丹空港で私を迎えに来たのは、左写真のMD90です。
「マクドネル・ダグラス」っていつのまにかボーイングになっていたのですね。
 
1時間半のフライトを終えて奄美大島に到着しますと、前回の経験から、即座に
レンタカーショップに入って車を借りることにしました。
借りた車が左下写真のミニカです。
前回と比べてODは付いていましたが、なぜか燃費は悪いし変速ショックが大きい・・・。
 
ちなみに奄美大島のガソリン代金は、民主党政権下で暫定税率の切れた25円引き
の時期でしたが、レギュラーで182円/1Lもしたのです(石川県で120円前後)。
離島での生活は大変なのだということを改めて実感しました。
 
車を借りると奄美市(旧名瀬市)の方向に早速走り出します。
途中で例の奄美名物「鶏飯」(下写真)を食べ、およそ1時間半で4年ぶりの
奄美市街に到着したのでした。
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■370号乗車
 
奄美市街に到着してすぐ、今回は運行中の370号と遭遇出来ました。
事前に現存は確認していましたが、実車を見て改めてその無事に安堵。
 
前回訪問時にはかなり撮影に苦労を強いられましたので、今回は確実に押さえたいものです。
 
取り敢えず370号の後について行き、終点と思われる地点での停止を期待しました。
ところが終点では殆ど停車や待機をせずに本車は転回してしまい、困ったことに・・・。
 
やむを得ずこのときの撮影は諦めましたが、代わりにあることを思いつきました。
それは、本車に一般客として乗車してみること。
前回訪問時はただ車で追いかけるだけで奄美交通へは何ら貢献をしなかった訳ですから、
今回は僅かでも「お布施」をしておきたかったのです。
 
そこで車を先回りさせ、駐車場へ車を預けてからバス停に立ちました。
ほどなくして370号は到着し、後部ドアが開きます。
 
実に15年ぶりに乗客として乗る、1638号です。
 
車内はご老人や中学生が大半で、バスは地域住民の足として依然として必要とされている
ことがとても良くわかりました。
 
私は左の最後列に着席。
ところが予期していたのとは違って、「ストンッ」という着座感覚に驚きます。
15年の歳月の間に、すっかりと中のクッションは劣化してしまい、ただの板張り同然の
状態になっていたのです。
 
耐用年数をとうに越えた酷使を象徴するかのような座席でした。
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■各営業所へ
 
370号とは久しぶりの邂逅でしたが、あまり駐車場から遠くならない内に370号からは下車します。
僅か2駅間の乗車でした。
 
370号はまた遠くの目的地へ行ってしまうので、ここからは他の車を捜します。
 
先ずは前回368号の居た平松の車庫へ。
ところがと言うべきか、やはりと言うべきか、平松ではあまり車が居ませんでした。
現役車は運行に出ているというのは勿論ですが、前回訪問時にあれほど留置してあった廃車が今回は1台も居ません。
さらには乗務員の詰所まで綺麗に無くなっており、話を伺うことすら出来ませんでした。
廃車は一斉に解体され、奄美交通が終焉を迎えるにあたって、不要な建造物も撤去されてしまったのでしょう。
 
ならば小浜車庫はどうか、ということで小浜に向かいます。
 
小浜車庫は前回と様子は変わりませんでしたが、やはり被写体となるべき車たちは既に出払っておりました。
 
仕方がないので今度は奄美市街を軽く流した後に、前回訪問が出来なかった「秋名」「小湊」「古仁屋」などの各終点を
ここで行って見ることにします。
 
途中で369号などに遭遇できたら良かったのですが、今回は369号はおろか、いすゞのCCM/CDM自体が殆ど
見当たりません。
あれほど大量に居た新旧のCCM/CDMが、僅か4年の間に急激に数を減らしたのは明らかでした。
それから市街地より片道1時間程度で「秋名」に到着。
とんでもない起伏と曲線の連続した山道を通り抜け、雄大な自然と小さな集落が点在する一角に、「秋名」の転回場は
ありました。
しかしその転回場は奄美交通ではなく、主に競合会社の「道の島交通」が使用しているもののようで、奄美交通の車は
そこからやや離れた路地に駐車して、例のごとく運転手は中で仮眠をしていたのです。
 
結局見るべきものは何も無かったので、ここでの写真は撮影せず今度は「小湊」へ向かいます。
 
1時間半ほどをかけて「小湊」へ到着。
しかしここも漁港に面した単なる転回場に過ぎず、何ら収穫はありませんでした。
 
状況の推移するままに最後は「古仁屋」へと向かいます。
ここには奄美交通の車庫があると聞いていたので、ある程度の期待はしていました。
 
「秋名」のとき以上の急激な勾配・曲線を何度も通過し、片道2時間かけて古仁屋に着いたときには既に日没の寸前。
急いで車庫を捜します。
 
捜すこと10分、集落の外れのやや広い空き地に奄美交通のバスが1台ほど駐まっているのを発見。
どうやらここが古仁屋「車庫」のようです・・・。
「車庫」は既に更地と化しており、僅かに建物の遺構が地面に顔を出しています。
しかしこの様子では建物が撤去されたのは最近では無いなと思いました。
 
更地から数百メートル離れたところには奄美交通の営業所がありましたが、こちらも既に営業はしていない様子です。
 
このとき完全に日が暮れてしまったので、1日目は特に戦果も無いままここでホテルに引き上げることにしました。
 
 
奄美市まで再び2時間の運転・・・(泣)。
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左写真
初日の「平松車庫」
 
右写真
初日の「小浜車庫」
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左写真
古仁屋の「車庫」
かつて建物があった痕跡はあるが・・・。
 
右写真
奄美交通「古仁屋営業所」。
既に廃墟なのだろうか。
2008/8/19
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